【ネタバレ】第79話「教育実習の先生」の巻（後編）

【ストーリー内容】

関口を叩いてしまった神谷先生が職員室で戸川先生から励ましを受けている中、生徒の間では神谷先生の行動について賛否両論が繰り広げられ、ますますクラス内は真っ二つに。特に否定派の生徒が声を荒げたため、神谷先生はすっかり自信をなくしてしまいます。

体罰の原因が自分にもあるため責任を感じたまる子は、冷静になれなかった事を悔やみ先生失格だと落ちこむ神谷先生に「私は神谷先生が本当の先生になったら、先生のクラスになりたい」と元気づけます。

気まずい雰囲気のままの日々が続いたある日、音楽の授業中に関口が突然腹痛を訴えます。盲腸を疑った神谷先生は、学校の車を借りて関口を病院に連れて行くことに。日頃から地図で学校周辺を把握していた神谷先生は、渋滞に巻き込まれても回り道をして回避します。

クラス内では、学校周辺の住民でもない神谷先生が関口を病院に連れて行けるのかという話題になっていました。そこでまる子は、みんなに日誌や地図の話を打ち明け、神谷先生の熱意を訴えるのでした。

関口はやはり盲腸で、手術のため入院をすることになります。

手術を終えた関口がベッドから目を覚ますと、母親と神谷先生がいました。関口は手術中もずっと待ていてくれたという神谷先生に、相変わらずの態度を取ってしまいます。

その夜、まる子は、翌日までの宿題に出されていた短冊に書く願い事を考えていました。初めは自分の将来の夢を書くつもりでいたまる子でしたが、短冊には「私の夢も神谷先生の夢もかないますように」と書きます。

そして、翌日は神谷先生とのお別れの日でもあり、「神谷先生を送る会」が行われました。神谷先生は、クラス中に迷惑をかけてしまった事のお詫びを含めてみんなに感謝の気持ちを伝えます。そして、みんなで宿題の短冊を後ろに用意していた笹に飾ることに。

当日学校に復帰できなかった関口も、短冊を提出しました。神谷先生は関口の短冊を見てハッとします。そこには、「神谷先生が本当の先生になれたら、オレも先生のクラスになれますように」と書かれていました。

涙ぐむ神谷先生を、クラスのみんなが笹の元に来るように誘います。飾られた短冊には、これまで神谷先生に反発してきた生徒たちからの神谷先生への謝罪や応援メッセージ、感謝の言葉が書かれていました。

その2年後、神谷先生は教師になります。そして、まる子たちが今よりずいぶん大きくなる頃には、例の男の先生と結婚するのでした。

【詳細ネタ】

・体罰否定派は、関口をはじめ、みぎわさんや永沢など。

・体罰肯定派は、まる子、たまちゃん、大野くん、杉山くん、そして神谷先生を良く思っていなかったはまじやブー太郎も。

・丸尾くん、花輪くん、藤木はどっちつかず。野口さんや山根は不明。

・まる子の家族も「関口が悪い」という意見でまる子や神谷先生に同情的。

・音楽の授業で歌っていたのは、「なかよしマーチ」。

【コメント】

●たぬき「一時はハラハラしたけれど、ハッピーエンドで終わったな」

○さぬき「僕は、神谷先生のような優しさと厳しさを兼ね備えたような人は理想だと思うよ。戸川先生は自分でも言ってたけど、生徒に甘いところがあるじゃない。現に、イジメみたいな事が頻繁に起きてたりするし。例えば『掃除係の役割』『とくちゃんはお人よし』『たかしくん』の回とか」

●たぬき「体罰の件は明らかに関口が悪いんだけども、体罰否定派の子たちはもともと神谷先生が嫌いだったという所がポイントなんだよな。人っていちど嫌悪感のようなものを持つようになると、その人の行動ひとつひとつが気に入らなくなるものだからな。体罰に至った事情には目を背けて『体罰』そのものだけを非難する姿勢だし、神谷先生が関口を病院に連れて行った時にもアラ捜しに走って素直に善行だと認める事ができない」

○さぬき「この話は、関口の盲腸がターニングポイントになっているよね。これがなければ、まる子が神谷先生の誤解を解く機会もなかったし、神谷先生は嫌われたままだったかもしれない」

●たぬき「関口が盲腸になってから色々と風向きが変わっているのは間違いないよな。関口が手術する事が分かると、ひどい仕打ちを受けていたはずの山田やまる子も本気で心配していたもんなぁ。いくら戸川先生が『盲腸の手術はそんなに恐いものではない』ってフォローしても、メスで腹を切る事には違いないわけで。やっぱり小学3年生だと手術は大人が想像する以上に恐怖の世界だよな」

○さぬき「盲腸は一応、まる子も経験しているんだよね。その時に手術をするかもしれない恐怖を経験しているから、なおさら同情したんだろうねぇ。ところで関口が腹痛になった時にみんなが歌ってた歌が何気にツボる件。ヘブラブーチョ、ヘブラブーチョ、ヘブラブゥ～♪」

●たぬき「あ、その合唱シーンでは神谷先生の一連騒動で空気のような存在のケンタや長山くんが熱唱してるのも何気にツボだぜ」