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移民問題とは?増える移民の現状と各国の政策|EARTH NOTE(アースノート)

2024-07-10 10:39| 来源: 网络整理| 查看: 265

近年、グローバル化が進み、人々は国境を越えることが容易にできるようになりました。世界各国では、祖国を離れ他国へと移動する「移民」と呼ばれる人々が増加しています。 移民の増加により、さまざまな問題などが起こっており、2030年に達成を目指すSDGs(持続可能な開発目標)の10番目の目標「人や国の不平等をなくそう」でも、移民についての目標が設けられています。 本記事では、各国の移民の現状と、移民のもたらすメリット・デメリットについて解説します。

目次

1 移民とは?その定義とメリット・デメリット1.1 移民と難民の違い1.2 移民のメリット1.3 移民のデメリット2 世界での移民の現状2.1 アメリカでの移民の現状2.2 欧州での移民の現状2.3 サウジアラビアでの移民の現状2.4 インドからの国際移民は世界最多3 日本での移民の現状3.1 日本における移民の現状3.2 出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律3.3 技能実習生の現状4 互いを受け入れ尊重していくことが重要 移民とは?その定義とメリット・デメリット

世界各国で増加している移民ですが、移民を受け入れる国ではどのような影響があるのでしょうか? 日本では、少子高齢化が進んでいるため、不足する労働力の担い手として移民を受け入れています。労働力が増えることは重要ですが、移民が増加することでさまざまな問題も起こっています。 ここでは、移民を受け入れることで起こるメリット・デメリットと、混同しやすい「移民」と「難民」の違いについて解説します。

移民と難民の違い

移民について明確な定義はありませんが、国連では「移住の理由や法的地位に関係なく、定住国を変更した人々を国際移民とみなすことに同意しています。3カ月から12カ月間の移動を短期的または一時的移住、1年以上にわたる居住国の変更を長期的または恒久移住と呼んで区別するのが一般的」としています。 一方、難民とは「迫害のおそれ、紛争、暴力の蔓延など、公共の秩序を著しく混乱させることによって、国際的な保護の必要性を生じさせる状況を理由に、出身国を逃れた人々」と定義されており、1951年の難民条約や地域的難民協定、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)規程でも定められています。 移民の主な要因は、収入を得るために仕事をすることや他国で教育を受けること、家族の都合による移動などですが、難民の主な要因は、安全を求めることや、本人の意思ではなく強制的に移動させられることなどです。

参考:国際連合広報センター 難民と移民の定義

移民のメリット

移民を受け入れる国では、移民がもたらすメリットを目的として受け入れています。 移民によるメリットには、次のようなものがあります。

少子化による労働力不足を補うこと 多くの先進国では、少子化が進み労働力が不足しています。労働力の不足は生産性の低下につながるため、移民によって労働力不足を補っています。

人口の増加によって生産性と所得の上昇が起こる 特に、サービス業などでは人口が増えることで収入も増えます。日本では、人口が2倍になると生産性が10%上昇するとされています。

参考:経済産業省 第4節 国境を越える人の移動と都市への集積

移民のデメリット

労働力不足を補うことや、生産性の向上につながるなど移民が増加するメリットがある一方で、移民によるデメリットもさまざまなものがあります。 移民問題として、移民を受け入れる国では次のような問題が起こっています。

不法移民 不法移民とは、在留資格のないまま不法に入国し、その国に留まっている人、又は、在留期間が過ぎた後も不法に滞在している人のことです。

自国民の雇用の減少 移民を雇用することで、自国民の雇用機会の減少につながります。

賃金の低下 海外から多くの労働力が入ってくることは、現地の人よりも安く働く移民が増えることにつながります。そのため、自国民の失業や賃金の低下が起こる可能性があります。

差別 文化、宗教、習慣、言語、外見などの違いから差別を受けることがあります。また、現地の人よりも安い賃金で働かされることもあります。

世界での移民の現状

空港のロビーでタブレットを見ながら談笑している2人の外国男性 2020年、世界では2億8,100万人、世界人口の3.6%にあたる人々が仕事や教育などの目的のために、移民として国境を越えました。そのため、多様性と複雑性が増えることで、移民を受け入れることが問題となってしまう国、移民を受け入れることで成功した国など、現状もさまざまとなっています。 ここでは、各国の移民による影響と現状、法律などの対策について解説します。

2020年 移民の分布

移民の受け入れ人数が多い国 移民の人数 国内での移民の割合 アメリカ 5,063万人 15% ドイツ 1,576万人 19% サウジアラビア 1,345万人 39% ロシア 1,163万人 8% イギリス 936万人 14% アラブ首長国連邦 872万人 88% フランス 853万人 13% カナダ 805万人 21% オーストラリア 767万人 30%

参考:UNICEF 移住に関する指標

アメリカでの移民の現状

移民によって建国された国であるアメリカは、多くの移民を受け入れている国でもあります。2019年のアメリカへの移民は国際移民の19%にあたる5,100万人となりました。移民の出身地は、メキシコが最も多く1,085万人、インド272万人、中国218万人となっています。 2021年1月、バイデン大統領は不法移民が8年で市民権を得ることができるようにする移民法案の草案を議会に送付し、さまざまな移民プログラムの変更を行っています。 同年2月には、トランプ大統領が2020年4月から行っていた移民ビザ取得希望者への入国停止命令の解除を発表しています。(注1)

アメリカでは、1990年にグリーンカード抽選プログラムが制定されました。グリーンカードとは、アメリカでの無期限滞在と就業の自由を可能にするカードで、アメリカでは毎年5万ものグリーンカードを抽選によって発給しています。 この制度は、アメリカにおいて特定の国からの移民が増え、バランスに不均衡が生じたことから移民の多様化を目的として比較的移民の少ない国に対し、抽選によってグリーンカードを発効する制度です。そのため、すでに多くの移民を受け入れているメキシコ、イギリス、中国、韓国、インドなどの国で生まれた人には応募資格が与えられていません。(注2)

多くの移民を受け入れる一方で、アメリカでは不法移民の問題も大きくなっています。不法な入国に対する取締りの件数は増加傾向にあり、2021年度は約196万件、2022年度には約277万件にもなりました。(注3) アメリカの移民問題は政治的に意見が分かれることが多く、解決策を見つけることが難しい複雑な問題となっています。

(注1)参考:JETRO バイデン大統領の下で見直される米移民政策、シンクタンク調査 (注2)参考:グリーンカードジェーピー グリーンカード抽選プログラムとは (注3)参考:JETRO バイデン米政権、不法入国者減少のための措置を公表

欧州での移民の現状

欧州では1960年代からの景気拡大に伴い、労働市場の需要が拡大しました。また、出生率の低下もあり、南欧やトルコから労働力として多くの移民を受け入れました。 その後、1973年のオイルショック以降に南欧からの労働者は帰国しましたが、トルコや北アフリカからの移民は留まり、数年後には家族を呼び寄せる権利を得たことで移民の人口が急速に増えたのです。(注1) さらに、2015年に欧州難民危機といわれる大勢の難民、移民の流入がおこりました。2014年の上半期の難民、移民は7万5,000人でしたが、2015年の上半期には、13万7,000人もの人々が国境を越え欧州にたどり着いたのです。 しかし、中東やアフリカから多くの難民が手続きを行わず、不法に国境を越えたため、受け入れに反対する動きが各地で起こりました。(注2) そして、国境が陸続きであるため国境に鉄条網が設置されるなど、欧州の多くの国で移民の拒絶や、移民関連の規制強化を掲げる政党が議席を伸ばすことにつながりました。

移民の受け入れに反対の動きがある一方、欧州では国際移民を多く受け入れており、2019年には8,200万人もの移民が欧州に流入しています。 ドイツでは特に移民が多くなっており、1,300万人を受け入れています。2020年3月に施行された「専門人材移民法」という法律によって、EU域外出身者の専門人材の受け入れが行われ、2020年3月から12月までに3万ものビザが発給されています。(注3) また、ドイツ手工業中央連盟によると、約25万人の技能人材が不足しており、EU域外からの若手の人材獲得が求められています。ドイツでは、若手の人材獲得のために、ポイント制度である「チャンスカード」の導入が発表されました。この制度では、次の4つの要件のうち、3つを満たすことでドイツへの入国と求職の手続きが簡素化される制度です。

大学の学位または専門職業資格 3年以上の実務経験 規定レベル以上のドイツ語能力、またはドイツでの居住経験 35歳未満

これらの政策によって、ドイツでは優秀な若い移民の獲得が期待されています。

オランダでは、インドからの移民が毎年増加しており、2012年には3,955人であった移民が、2017年には8,630人と約2.2倍にもなりました。主な移民は知的労働者(高度な資格を持つ外国人労働者)と、その家族でした。知的労働者の4人に3人がITや情報サービス分野でソフトウェアの開発などに携わっています。(注4)

(注1)参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構 外国人労働者と社会統合:EU 欧州における移民受入れと社会統合の展開 (注2)参考:UNHCR 2015年上半期:地中海を渡る難民、移民が過去最高に (注3)参考:移民問題とは?難民との違いや日本と諸外国の移民政)策を知ろう|国際協力NGOワールド・ビジョン・ジャパンEU MAG 域内外で進展するEUの移民・難民対策 (注4)参考:JETRO インドからの移民流入が5年間で倍増、知的労働者の4分の3がIT分野

サウジアラビアでの移民の現状

サウジアラビアでは、移民の受け入れが約1,300万人にもなり、アメリカ、ドイツに次ぐ世界3位となっています。そのため、移民の占める割合が高く、2020年の調査では国内の39%が移民となりました。

サウジアラビアには「特権的滞在許可証」制度があります。この制度は、高度なスキルを持つ外国人富裕層に対して滞在許可証が発効されるものです。取得した場合は、申請者と扶養家族にさまざまな特権が与えられます。(注1) しかし、多くの外国人を受け入れる一方で、サウジアラビア人の雇用を守るための「ニタカート・プログラム」が設けられています。ニタカートプログラムとは、業種ごとに決められた割合のサウジアラビア人を雇用するためのプログラムです。2018年11月以降、特定の小売り分野12業種において、サウジアラビア人の雇用割合70%以上が義務付けられています。 2019年12月には、ホテル産業の特定のポストをサウジアラビア人に限定するなど、段階的に現地の人の雇用義務を拡大しています。(注2)

(注1)参考:JETRO UAE およびサウジアラビアの移民政策における最近の動向 (注2)参考:JETRO 外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用

インドからの国際移民は世界最多

インドは、2019年に世界で最も多くの移民を海外に送り出している国となりました。インドからの移民の数は、約1,800万人にも上ります。海外で働くインド人が増えたことで2019年には、海外からインドへの送金額が約830億ドル以上となり、世界最大の海外送金受け取り国となりました。(注1) 多くの移民を海外に送り出しているインドでは、教育レベルの高い優秀な人材が海外へ流出する頭脳流出が問題となっています。原因として、先進国との所得格差、インド人のIT業界などでの高い能力、インド国内に能力を活かす機会が少ないことなどが挙げられます。 インド政府は、海外に移住したインド人の総資産と言われる1兆ドルを、本国の成長に結びつけるために在外インド人向けの銀行口座を作るなどの政策を行っています。(注2)

海外への送金額が多い国 金額 アメリカ  680億ドル アラブ首長国連邦 432億ドル サウジアラビア 346億ドル スイス 280億ドル ドイツ 220億ドル 海外からの受取額が多い国 金額 インド 830億ドル 中国 590億ドル メキシコ 430億ドル フィリピン 350億ドル エジプト 300億ドル

(注1)参考:IMO World Migration Report 2022 (注2)参考:大和総研 【移民レポート7】インド:世界最大の移民送出国

日本での移民の現状

町工場で技術を教えている日本人と教わっている海外の男性 日本では、少子高齢化による労働不足を補うための対策として、多くの移民を受け入れようとしています。移民を受け入れることへの不安の声もありますが、実際に日本での移民の現状はどのようになっているのでしょうか。 近年増加している海外からの技能実習生の現状や、移民の人数、出身国の割合、移民に対する日本政府の対応について解説します。

日本における移民の現状

令和4年12月末の在留外国人は、307万5,213人、全国民の約2.46%となっています。(注1) 日本では、不法に滞在する移民が多いことが問題になっており、令和5年1月1日の不法滞在者は7万491人となっています。不法滞在者を減らすための取り組みを平成16年から、法務省、厚生労働省、警察が中心となって行い、約25万人とされた不法滞在者を大幅に減らすことができました。それに伴い、不法就労者も減っています。 しかし、不法滞在者の中には偽変造在留カード等の偽変造文書を使う人や、虚偽文書などを使うなど在留資格に該当するよう偽造し、不法就労を行うなどの問題や、技能実習生として来日し、実習先を失踪し別の場所で不法就労をするといった問題が起きています。

日本政府は「世界一安全な日本」創造戦略2022に基づいて、外国人との共生社会の実現に向け、不法入国などを事前に阻止することや、不法就労者などの取締り強化、効果的な在留管理のための情報収集と分析体制の強化を行うことで、世界一安全な国を創ることをめざしています。 平成30年12月から「外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議」で了承された「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」でも、不法滞在者などの取締りを推進しています。 さらに、令和3年3月から出入国在留管理庁が保有する在留管理情報と、厚生労働省が保有する外国人雇用状況届出情報のオンライン連携が開始されるなど、デジタル化が進む現代社会に合わせた具体的な対策の強化が行われています。(注2)

不法滞在者への対応の一方で、少子高齢化による労働力不足を補うために、2019年4月から日本で働く外国人のための在留資格として「特定技能1号」「特定技能2号」が設けられました。この資格は、特定の技能を持ち、日本で即戦力として働くことができる外国人のための在留資格の一種です。 特定技能1号では、介護、建設業、ビルクリーニング、電気・電子情報関連産業など14分野で認められています。それぞれの分野で、専門的な試験と日本語の能力を問う試験が行われます。 また、特定技能1号の在留資格を持つ外国人への支援として、外国人労働者を採用する経営者は、事前ガイダンス、出入国の送迎、住居や生活必需品の契約支援のための支援計画の提出が義務付けられています。 特定技能1号での採用では5年以上の雇用はできませんが、特定技能1号から特定技能2号に在留資格を切り替えると、半永久的に日本で仕事をすることができます。 特定技能2号とは、建設と造船・船用工業での在留資格になります。(注3)

(注1)参考:出入国在留管理庁 外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組 (注2)参考:出入国在留管理庁 不法就労等外国人対策の推進について (注3)参考:茨城特定技能サポートセンター特定技能1号とは?取得条件や特定技能1号取得者の採用について解説

出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律

日本には、移民法がないため「出入国管理および難民認定法」(入管法)が移民法の代わりとなります。 入管法は、日本に入国、出国するすべての人の出入国の公正な管理を図り、難民認定手続きを整備することを目的とした法律です。 令和4年6月末、日本での中長期在留者は266万9,267人、特別永住者は29万2,702人(計296万1,969人)、前年末の276万635人に比べ、20万1,334人増加しています。

日本での在留外国人の出身国の内訳は、次のようになっています。

国名 人数 中国 744,551人(25.1%) ベトナム 476,346人(16.1%) フィリピン 412,340人(13.9%) ブラジル 207,081人(7.0%) ネパール 125,798人(4.2%) インドネシア 83,169人(2.8%) アメリカ 57,229人(1.9%) タイ 54,618人(1.8%) 台湾 54,213人(1.8%)

外国人を受け入れる基本的制度を定める入管法では、在留資格制度を採用しています。在留資格制度では、外国人の活動範囲をカテゴリーごとに分けて在留資格(在留資格認定証明書)として定めています。在留資格に対応する活動(勉強、仕事、結婚など)を行う外国人に限り、入国と在留を認めるものです。 現在の在入管法では、38の在留資格が定められており、在留資格によっては就労可能なものと、原則就労不可なものがあります。 また、身分系の在留資格では就労の制限はありません。身分系の在留資格とは、永住資格、日本人の配偶者、永住者の配偶者、定住者(日系3世や中国在留法人など)のことです。在留資格ごとの人数は次のようになっています。

在留資格 人数 永住者 845,693人(28.6%) 技能実習 327,689人(11.1%) 技術・人文知識・国際業務 300,045人(10.1%) 特別永住者 292,702人(9.9%) 留学 260,767(8.8%) 特別永住者とは、平成3年(1991年)11月1日に施行された「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法」により付与された在留資格の保有者のことです。 戦後、日本に残った朝鮮人や台湾人、韓国人などが、サンフランシスコ平和条約で日本の国籍を失いました。そのため、日本に残った人々と、その子孫は特別永住者として日本での在留資格が認められています。

外国人の出入国、在留に関して定めた入管法では、日本での不法就労、不法残留、犯罪を犯すなど、退去強制事由が発生した場合に国外へ退去させることができます。大多数は帰国している一方で、送還できない事例が令和3年12月末で3,224人となっています。

送還を妨げる理由とは次のようなものです。

難民認定手続中は送還が一律停止 現在の入管法での難民認定手続き中は、申請の回数、理由を問わず、日本国内で殺人などの重犯罪を犯した場合や、テロリストであっても退去させることができない。

退去を拒む、または自国民の受取を拒否する国がある 送還される人の自主的な帰国は入国を認めるが、日本からの退去を拒み、強制送還される場合に受取を拒否する国がある。

送還妨害行為による航空機への搭乗拒否 送還をする外国人が、送還のための航空機で激しく抵抗することによって、機長に搭乗を拒否される場合、送還が物理的に不可能となる。 平成28年以降、送還を中止せざるを得ないほどの送還妨害が11件発生しています。

これらの結果、送還までの間に入管施設での収容の長期化や、病気などによって一時的に収容を解くことで、逃亡する事案が令4年末までに約1,400人も発生しています。また、送還されないために、難民認定申請の誤用、濫用が疑われる事案や、難民認定の審査処理の長期化によって、本来保護すべき人への迅速な救済が困難になるといったことが発生しています。

参考:出入国管理庁 現行入管法の課題

技能実習生の現状

日本では、外国人技能実習制度が設けられています。最長5年間の技能実習制度は日本の技能、技術、知識を開発途上地域などへ移転することで、当該地域の経済発展を担う「人づくり」に貢献することを目的とし、1993年に作られた制度です。2017年11月には「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」(技能実習法)が施行されています。

令和4年末、32万人を超える技能実習生が日本で活動しています。特に、建設、食品製造、機械・金属に関する技能実習生が多い傾向にあります。受入人数の多い国は、令和4年末でベトナム人が176,346人、インドネシア人が45,919人、フィリピン人が29,140人、中国人が28,802人、その他の国が44,733人となっています。 技能実習法では、日本と技能実習生の送出国とで、技能実習を適正かつ円滑に行うために二国間で取決めが行われています

日本側

技能実習を基準に基づき適正に行う 送出国が認定した送出機関からの技能実習生のみ受け入れる 監理団体、実習実施者に許認可の取消や改善命令があった場合、送出国に通知する

送出国側

認定基準に基づいて、送出機関の認定を適正に行う 制度を理解し、技能実習を行う者を選定する 帰国後、習得した技能を活用できるよう就職先の斡旋などを行う 保証金、違約金の契約をしない 技能実習生への人権侵害をしない 送出機関の認定が取り消された場合は日本に通知する 日本から不適切な送出機関について通知を受けた場合、適切に対処し結果を日本へ通知する(注1)

しかし、技能実習制度では2017年に、213の機関で適正な実施を妨げる不正行為が認められました。労働時間や賃金の不払い、不正行為を隠す目的での偽変造文書などの行使、または提出などが報告されています。 さらに、技能実習生の失踪も問題となっており、令和4年には9,006人もの失踪が発生しています。(注2)(注3) 失踪の理由としては、実習実施側からの不当な扱いや、技能実習生側の経済的な事情などがあります。これらのトラブルを防ぐために、事前説明をしっかり行うこと、互いの文化を尊重することなどが呼びかけられています。(注4)

(注1)参考:法務省 出入国在留管理庁 厚生労働省 人材開発統括官 外国人技能実習制度について (注2)参考:法務省 技能実習制度の現状(不正行為・失踪) (注3)参考:出入国在留管理庁 都道府県別失踪技能技能実習生数 (注4)参考:出入国残留監理庁 外国人技能実習生の失踪を発生させないために

互いを受け入れ尊重していくことが重要

多くの移民が世界で増加し、成功している国、課題を抱えている国があります。移民を完全に拒否することが難しいグローバル化社会において、どのように課題を解決すべきかを考えることが求められています。 異文化との交流は難しい面もありますが、発展につながる可能性も大いにあります。 日本でも、少子高齢化への対策として今後、移民を多く受け入れる動きがあるため、身近に外国人が増えることが予想されます。移民を多く受け入れることへの反対の意見も聞かれますが、少子化が解決したとしても、労働力として国を支えるためには10年以上の時間が必要となります。 国を支えるためには、互いの文化や習慣の違いを受け入れ、尊重していくことが今後の社会には求められていくでしょう。

この記事の執筆者 EARTH NOTE編集部 SDGs情報メディア 「SDGsの取り組みを共有し、循環させる」がコンセプトのWEBメディア。SDGsの基礎知識や最新情報、達成に取り組む企業・自治体・学校へのインタビューをお伝えし、私たちにできることを紹介します。 身近なアイデアを循環させて、地球の未来をつなげていきましょう。皆さんと一緒に取り組んでいけたら幸いです。


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