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のど(喉)の痛みは、何らかの原因でのどに炎症(咽頭炎、扁桃炎)が起こっているサインです。のどは常に外界と接しており、呼吸や飲食などにより粘膜に刺激を受けやすい部分です。粘膜は刺激を受けると、身体を守るために炎症反応を起こし、赤くなったり、腫れたりします。これにより飲み込むときの痛みや乾燥・異物感、発熱などが出ます。 のどの痛みを引き起こす(粘膜を刺激する)原因はさまざまです。ウイルスや細菌の感染、空気の乾燥、寒い/熱い空気、ホコリ、喫煙や飲酒などがあります。また、鼻で起きた炎症がのどまで波及してくることもあります。 のどの痛みの多くは1~2週間以内におさまります。刺激が持続的に続いていると長引くこともありますが、のどのケア(保湿など)を行ない、原因となっている刺激物を取り除くなどして様子を見ていれば、自然に治ることがほとんどです。 ただし、のどは空気の通り道なので、ひどい腫れが起こって狭くなり、呼吸困難が起こることがまれにあります。下記のような症状がある場合は、早急に医療機関(内科、呼吸器科)を受診してください。特に呼吸が苦しいときは、ためらわずに救急車を呼んでください。 唾液が飲み込めないほど痛い(よだれが出る) 呼吸が苦しく、ヒューヒューと音がする くぐもったような声(熱いものが口の中に入っているときの声)になる 口を閉じにくい 38℃以上の高熱や悪寒、ひどいだるさ、意識状態の悪化などがみられる どんな人に、どんなときに現れるかのどの痛み(咽頭炎、扁桃炎)のほとんどはウイルスや細菌の感染によるもので、その多くはウイルスによって占められます。これは大人も子どもも同様です。 最も注意を要する細菌性の咽頭炎として、A群β溶連菌による咽頭炎があります。小児期に多い病気ですが、成人でも咽頭炎の原因の5~10%を占めるとされます。適切な治療を行なうことで、将来の急性リウマチ熱の発症を予防できます。 治療にはペニシリン系の抗菌薬が使われることが多いのですが、リウマチ熱の予防という観点から、本来の適応以外のウイルス性の咽頭炎にも抗菌薬が使われるという過剰使用が問題になっています。 のど以外の病気の影響によって、のどの痛みが出ることもあります。よくあるのは、アレルギー性鼻炎(花粉症)の炎症がのどまで波及して起こるイガイガした痛みです。また、胃食道逆流症(逆流性食道炎)では、上がってきた胃液によりのどの粘膜が刺激され、痛みを生じます。嘔吐後も同じ理由で炎症を起こします。 のどの痛みは、病気や治療により免疫力が下がっている人にもよく起こります。この場合は我慢せず、すぐにかかりつけ医に相談するようにしてください。 どんな病気が関係しているか「のどの痛み」の症状が現れる主な病気の中で、発症頻度の高いもの、特徴的なもの、注意が必要なものをとりあげました。病気についてさらに知りたい場合はリンク先をご参照ください。 症状とその特徴 説明 疑われる主な病気 ・のどの痛み ・発熱やせき、鼻水、吐き気や下痢など ライノウイルス、コロナウイルス、RSウイルスなどの感染による ウイルス性咽頭炎(かぜ症候群) ・のどの痛み ・発熱 ・頸部リンパ節の腫れ、飲み込みにくさなど ・せきは出ない A群β溶連菌という細菌の感染による。迅速検査法があり、抗菌薬で治せる。将来の急性リウマチ熱の発症予防にもつながる A群溶血性レンサ球菌(溶連菌)咽頭炎 ・唾液が飲み込めないほどののどの痛み ・よだれ ・くぐもったような声 ・呼吸困難 のどの奥にある喉頭蓋が腫れて気道が狭くなる。病気の進行が速いので要注意 急性喉頭蓋炎 ・のどの痛み ・胸やけ(食後、横になったときに悪化する) ・長引くせき 胃酸がのどに逆流することで粘膜に炎症を起こし、痛みが起こる 胃食道逆流症 チェックポイント (1)次のような症状の有無を確認する のどの痛みはどの程度か どんなときに痛みが強くなるか 痛むのは片側だけか、両側か 発熱はあるか せきや鼻水、痰は出るか 吐き気や下痢などの消化器症状はあるか 以前に同じような症状があったか(一度おさまってからぶり返していないか) そのほか、気になる症状はあるか(口が閉じにくい、発疹がある、体重減少、味覚異常、脱力感など) 意識は大丈夫か (2)次のような環境を確認する のどの粘膜を刺激するような要因があったか(喫煙、飲酒、空気の乾燥、寒い/熱い空気、ホコリなど) 水分の摂取は十分にできているか 現在、患っている病気はあるか 飲んでいる薬やサプリメントの種類 |
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