GTX 1660 Superをレビュー:意外と中途半端の塊ではない。 | 您所在的位置:网站首页 › 1660和1060super › GTX 1660 Superをレビュー:意外と中途半端の塊ではない。 |
2019.11.05 グラフィックボード / GPU やかもち(管理人) GTX 1660 Superをレビュー:意外と中途半端の塊ではない。![]() 「GTX 1660 Super」は、1660と1660 Tiの中間に位置するなかなかに中途半端なポジションのグラフィックボードです。しかし、大事なのはゲーム性能。1660より10ドル高いだけで、性能の伸びがそれ以上であれば存在価値は見いだせます。では、Super化した1660を実際に検証です。 この記事の目次 ToggleSponsored Link 「GTX 1660 Super」のスペックと概要![]() ![]() ![]() ![]() ![]() GTX 1660 Superのスペックを、価格の近いグラボと比較してみました。見て分かる通り、GTX 1660 Superは今までのSuperシリーズと違って、基本的なスペックはほとんど変更されていません。 唯一アップグレードされたのが、使用されているVRAMの規格です。GTX 1660では従来のPascal世代で使われていたGDDR5を使用していたのに対し、今回のSuper版でやっとGDDR6に格上げされました。 VRAMの規格をアップグレードしただけなので、スペックはほとんど変化なし。消費電力の目安になるTDPが5 Wだけ増え、希望小売価格は10ドルの値上げにとどまりました。 しかし、国内の販売価格はGTX 1660(無印)が2.5~2.7万円から購入できる一方、GTX 1660 Superは少なくとも3万円は必要です。価格差は約5000円(2割近く)に達するため、Super版には6000円の価格差に説得力を持たせるだけの「性能差」が求められます。 Super化でVRAMはGDDR6に![]() VRAM(ビデオメモリ)の規格がGDDR5からGDDR6に格上げされると何が変わるのか。アッサリとした言い方なら「GDDR6はGDDR5より速い。」です。 GTX 1660のGDDR5なら、帯域幅は8 Gbpsで1秒あたり192.1 GBです。GTX 1660 SuperのGDDR6は、帯域幅が75%多い14 Gbpsになり、1秒あたり336 GBの帯域幅に拡張されています。 もし、GTX 1660のスペックに対してVRAMの帯域幅がボトルネックになっていた場合、高速なGDDR6になったことでボトルネックが解消されてゲーム性能がさらに改善する可能性はありそうです。 加えて、GDDR6規格のVRAMはオーバークロック耐性が高い傾向もあるため、実際のゲーム中のクロック周波数(実効クロック周波数)が向上して性能アップを果たす可能性もあるかもしれません。 しかしどれも可能性の話であって、VRAMがやや高速化したくらいでグラフィックボードの性能がアップするかどうかは、実際にベンチマークやゲーミングを試してみないことには何とも言えないところです。 まとめ:価格差に見合った性能差が「カギ」GTX 1660 Superは、GTX 1660と比較して基本的なスペックは何一つ変わっていません。VRAMが遅いGDDR5から、高速なGDDR6にアップグレードされただけです。それだけの変更でありながら、価格設定は10ドル引き上げられました。 国内の販売価格は10ドルどころか約5000円になります。 GTX 1660 Tiより速いVRAMGTX 1660と約5000円の価格差消費電力はわずかに上昇シェーダー数など基本スペックの改善なしGTX 1660 Superは少なくとも、約5000円の価格差を納得させるだけの「性能差」が必須です。GTX 1660は約2.5万円、GTX 1660 Tiは約3万円で、GTX 1660 Superも同様に3万円は掛かります。 GTX 1660より多少性能が良いだけでは話にならず、GTX 1660 Tiに僅差で並ぶくらいの性能差を見せなければならない…非常に厳しい立場です。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() GTX 1660 Superの性能を検証するテストPCのスペックです。 現状もっともボトルネックが生じづらい、ゲーミング最強のCPU「Core i9 9900K」を軸に、適当なパーツを組み合わせています。メモリはごく標準的なDDR4-2666を合計で16 GBです。 グラフィックドライバ(NVIDIA GeForce Driver)は、GTX 1660 Superをサポートするバージョン「441.08」を使用しました。 用意したグラボ![]() ![]() 今回の検証で使っていくGTX 1660 Superは、ZOTAC製の「GeForce GTX 1660 SUPER AMP」を用意しました(型番はZT-T16620D-10M)。5%ポイント還元中のドスパラで購入したので、価格は約31300円とほぼ最安値に近いです。 最安値となると品質を心配するかもしれませんが、ZOTACのAMPシリーズはいわゆるオーバークロックモデル。似た価格帯のGTX 1660 Superのブーストクロックは1785 ~ 1830 MHzが多いのに、ZOTACのAMPはなんと1845 MHzに設定されています。 ![]() パワフルなオーバークロック設定を施しておきながら、全長21.7 cmのコンパクトなボードデザインが大きなメリットです。冷却ファンは「IceStorm 2.0」と名付けられた、90 mm径のファンを2つ搭載。 GPUチップから熱を受け取る受熱ベースプレートは銅製で、ベースプレートから熱をヒートシンクに運ぶヒートパイプは、銅製の6 mm径を3本接続しています。最安値に近いモデルなのに、冷却設計は非常にハイレベルです。 ![]() 天面にはバックプレートが取り付けられています。アルミニウム製ではなくスチール製で、バックプレートと基板の間にサーマルパッドなどの熱伝導材は挟まれていないため、あくまでもカードの変形を抑えるための補助的な役割だけを果たします。 ![]() 厚みは41 mmで、2スロット占有です。とてもコンパクトで薄型なデザインに仕上げられており、ほとんどのPCケースで干渉せずに取り付けが可能だと思われます。補助電源コネクタが「8ピン」なのは注意してください。 ![]() 映像出力端子はDisplay Port 1.4が3つ、HDMI 2.0bが1つで合計4つあります。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() GTX 1660 Superと性能比較を行うグラフィックボードは、以上の5枚です。 同じGeForce 16シリーズに位置づけられる、GTX 1660とGTX 1660 Tiに加え、中古価格で競合することになるGTX 1070とGTX 1070 Tiの2枚。そして、一応は先代にあたるGTX 1060 6GBも検証することにしました。 果たしてGTX 1660 Superは価格差に見合うだけのパフォーマンスを発揮できるのかどうか、検証バトルの始まりです。 ゲーミング性能:GTX 1660 Tiに追いつく勢い3DMark FireStrike![]() DirectX11ベースのGPUベンチマーク「FireStrike」で基本的な性能をテスト。GTX 1660 Superのスコアは意外にも伸びて約16700点に達しました。GTX 1660 Tiとほとんど変わらないスコアで、正直なところ驚いてます。 3DMark TimeSpy![]() DirectX12ベースの「TimeSpy」でも同様にGTX 1660 Superのスコアは大幅に伸びており、GTX 1660 Tiよりわずか3%低いスコアです。VRAMを高速化するだけでこれほど性能が伸びるとは、恐れ入りました。 ![]() 他のグラフィックボードとベンチマークスコアの比較をしたい方は、↑こちらのグラボ性能まとめ表も参考にどうぞ。 FF14 : 漆黒のヴィランズ![]() FF14:漆黒のヴィランズ(フルHD)では、GTX 1660から約17%も性能を伸ばしてGTX 1660 Tiにあと少しで追いつきそうな勢いです。 なお、今回のレビューからFF14の平均フレームレートはクライアント側のログファイルから読み取る方法に変更しました。シーン切り替え時の読み込み中のデータが平均値から除外されるため、より精度の高いデータになっています。![]() 解像度をWQHDに引き上げても性能差はほとんど変わらず、GTX 1660 Tiのすぐ後ろにつけています。 FINAL FANTASY 15![]() 「FF15」のベンチマークでは、Super化した1660は更に19%も性能を向上させてGTX 1660 Tiに急接近しています。 ![]() WQHDに解像度を引き上げても傾向はそれほど変わりません。GTX 1660 SuperはGTX 1660 Tiに追いつきそうな性能です。 Apex Legends![]() Apex LegendsはTuring世代のグラボと相性がいいため、GTX 1660 Superや1660 Tiは、GTX 1070や1070 Tiを上回る性能を見せました。 ![]() WQHDになってもTuring世代が強い傾向は同じで、GTX 1660 SuperはGTX 1070 Tiとほとんど同じ性能です。 CS:GO![]() CSGOはどのグラフィックボードでも、出せる性能は飽和しています。 ![]() WQHDになると性能差が若干出ますが、平均200 fpsを軽く超えているので実用上はまったく問題ありません。 Call of Duty : Black Ops IV![]() Call of Duty : Black Ops IVでは、GTX 1660と比較してなんと20%も性能が改善しています。GTX 1660 Tiには追いつかないものの、GTX 1070 Tiとまったく同じ性能を発揮します。 ![]() WQHDになると更に性能差は開いて、GTX 1070 TiやGTX 1070を明確に打ち負かしました。 Rainbow Six Siege![]() レインボーシックスシージの付属ベンチマークでは、GTX 1660 Superが2番手です。 ![]() WQHDでは性能差が縮小しますが、GTX 1660 SuperはGTX 1070 Tiとおおむね同じ性能でした。 Fortnite : Battle Royale![]() フォートナイトはプレイグラウンドモードでプレイし、ミスティ・メドウズにて計測を行います。結果、GTX 1660 SuperはGTX 1660 Tiとほとんど同じ性能でした。 ![]() WQHDでも全体的な傾向は同じです。GTX 1660 SuperはGTX 1660 Tiに並んでしまいます。 Overwatch![]() オーバーウォッチでは、GTX 1660 SuperはGTX 1660より約19%も高い性能を記録し、GTX 1660 Tiにあと少しというところまで来ました。 ![]() WQHDに引き上げても、GTX 1660 Superの位置は変わりません。 PUBG![]() PUBGではGTX 1660 SuperとGTX 1660 Tiの性能差はわずかなものです。 ![]() WQHDでも結果は変わりません。 Assassin Creed Odyssey![]() 非常に重たいアサシンクリードオデッセイでは、シェーダー数が多いGTX 1660 Tiが健闘しています。さすがにVRAMが速いだけでは追いつけないようです。 ![]() WQHDでは若干性能差が縮まりますが、GTX 1660 Tiには追いつきません。 ARK Survival Evolve![]() 超重量級のゲーム、ARK Survival EvolveではGTX 1660 SuperとGTX 1660 Tiの性能が近いです。しかし、どのグラフィックボードも平均60 fpsは超えられませんでした。 ![]() WQHDに引き上げると傾向はおおむね同じですが、平均60 fpsどころか30 fpsすら厳しい状況です。 Deus Ex : Mankind Divided![]() DXMDでは、GTX 1660 SuperはGTX 1660 Tiに迫る性能です。 ![]() WQHDでも傾向はそれほど変わりません。 Grand Theft Auto V![]() Grand Theft Auto VはフルHDだと、平均100 fpsに近づくにつれて性能が飽和します。GTX 1660 Superはほぼ飽和するところまで性能を伸ばしています。 ![]() WQHDになるとパフォーマンスの差が現れやすいですが、GTX 1660 Superと競合するグラボでは平均70 fps前後が限界のようです。 NieR : Automata![]() ニーアオートマタでは、ほぼ上限に近い性能で動作します。 ![]() WQHDでは平均59 fps前後を維持できなくなりますが、GTX 1660 SuperはGTX 1070 Tiを超えるパフォーマンスを示しました。 ※NieR : Automataはゲーム側で最大60 fpsに上限が設けられています。よって平均59 fps前後なら問題ありません。 Shadow of the Tomb Raider![]() トゥームレイダーでは、GTX 1660 SuperはGTX 1660より約16%高い性能です。 ![]() WQHDでは性能差はさらに開き、約21%もGTX 1660 Superの方がGTX 1660より高い性能でした。 Watch Dogs 2![]() Watch Dogs 2ではGTX 1660 Superが、GTX 1660 Tiを僅差で上回るパフォーマンスです。 ![]() WQHDになると、GTX 1660 SuperとGTX 1660 Tiはほぼ同じ性能に。 Witcher 3![]() Witcher 3ではGTX 1660 Superは、GTX 1070などと並ぶ性能になりました。 ![]() WQHDでは、GTX 1660 SuperはGTX 1070より少し低いパフォーマンスに落ち着きます。 モンスターハンターワールド![]() モンスターハンターワールドでは、GTX 1660 SuperはGTX 1660でクリアできなかった平均60 fpsを達成。モンハンするなら最低限欲しいグラボは、GTX 1660 TiからGTX 1660 Superに置き換わりました。 ![]() WQHDに引き上げても傾向は変わらず、GTX 1660 SuperはGTX 1660 Tiに近い性能です。ただし平均60 fpsは遠いですね。 黒い砂漠![]() 無料MMORPG「黒い砂漠」のリマスター品質では、GTX 1660 Superは無印版より約14%高いパフォーマンスです。 ![]() リマスター品質より遥かに重たいウルトラ品質では、GTX 1660 SuperとGTX 1660 Tiはほとんど変わらない性能になります。 ![]() WQHDのリマスター品質も検証します。GTX 1660 Superはあと一歩60 fpsに届きませんが、GTX 1660より約17%も高くなりました。 ![]() WQHDのウルトラ品質は残念ながら、60~70番台のグラボでは到底ムリです。 平均パフォーマンス![]() フルHDゲーミングの平均パフォーマンスは、GTX 1660を約17%も上回り、上位モデルのGTX 1660 TiやGTX 1070に対してたったの3%しか変わらないパフォーマンスです。 GTX 1660 Superは、約5000円(2割近い)の価格差に見合っただけの「性能差」を見事に示すことに成功しました。と同時に、GDDR5ではスピード不足という事実も明らかになりました。想像以上にVRAMの帯域幅は重要です。 ![]() WQHDゲーミングの平均パフォーマンスでは、GTX 1660を約18%上回り、上位のGTX 1660 TiとGTX 1070に対して約3%低いパフォーマンスです。傾向としてはフルHDとほとんど同じと言っていいでしょう。 よってフルHDとWQHDともに、GTX 1660 Superは無印版に対して2割近い性能アップを実現しており、値段の差を説明するのに十分説得力のある「性能差」を示します。期待していなかった分、良い意味で裏切られました。 ※平均パフォーマンスは、「CSGO」と「黒い砂漠(ウルトラ品質)」を除いた平均値を求めています。 クリエイティブ性能:配信性能は1660を圧倒するゲーミング性能の次は、クリエイティブ性能について検証します。GPUレンダリングの定番「Blender」に加え、OpenCL系の「LuxMark」。それとOpenGL系の「SPECviewperf 13」や、OBSによる実況配信の検証も行います。 GPUレンダリング![]() Blenderの公式サイトで無料配布されているCycles Render向けのデモファイル「BMW」を読み込んで、GPUのみ使用する設定に切り替えてから、レンダリングを行います。描画に掛かった時間が短いほど高性能です。 GTX 1660 Superのレンダリング時間は、GTX 1070やGTX 1660 Tiより少し短く済みました。シェーダーが4割も多いGTX 1070より速く処理できることから、シェーダーの多さだけでなく、VRAMの帯域幅の重要性が伺えますね。 ![]() ![]() LuxMarkはレンダリングソフト「LuxRender」のパフォーマンスを評価できるベンチマークソフト。さきほどのCycles Renderと違って、「OpenCL」を使ってテストが実行されます。 GTX 1660 SuperはGTX 1660 Tiより速く、GTX 1070 Tiに並んでしまうスコアになりました。 ![]() 更に重たい「Neumann」になると、GTX 1660 Superがトップの位置につけました。 ![]() もっと重たい「Hotel Lobby」では、GTX 1070などに追い抜かれ、GTX 1660 Tiとほぼ同じスコアに。 3DCG / 3DCAD(OpenGL描画処理)![]() 3ds Maxにおけるパフォーマンスは、GTX 1660とGTX 1660 Tiのちょうど中間です。 ![]() Mayaにおいても、3ds Maxとおおむね同じような傾向です。 ![]() Solidworksでは差が縮まり、GTX 1660 Tiとほぼ同じスコアになりました。 OBSでゲーム実況配信(NVEncの性能)![]() ![]() ![]() ![]() NVIDIAのグラフィックボードに搭載されている「NVEnc」を使うことで、非常に負荷が重たいことで知られるゲーム実況配信を、CPUと比較して遥かに少ない負荷で実行できるようになります。 特に最新のTuring世代では、NVEncが進化してCPUでエンコードする場合と比較してもまったく劣らないほどにまで画質が改善されたとか。では、FF14(紅蓮のリベレーター)でリアルタイムに配信と録画をテストです。 エンコーダはTuring世代に対応した「NVIDIA NVENC H.264(new)」。ビットレートを6000(CBR)に、使用したプリセットは「Quality」、ゲーム中のフレームレート制限は144 fpsまたは60 fpsです。 配信中のドロップフレーム率全3000フレームに対するドロップフレーム数GPU平均fps144 fps制限60 fps制限GTX 1660 Super100.9 fps16.2%0.9%GTX 1660 Ti102.0 fps10.8%1.1%GTX 166080.5 fps83.1%6.2%GTX 1070 Ti111.2 fps3.9%0.1%GTX 1070107.7 fps1.8%0.2%GTX 1060 6GB79.1 fps16.7%4.2%テスト結果をまとめました。 結果から分かることは1つです。GTX 1660 Superは、VRAMが単にGDDR6に格上げされただけのグラボですが、録画配信におけるパフォーマンスは比較にならないほど飛躍的な進化を遂げています。 特にフレームレートを144 fpsに制限したときの配信性能は、GTX 1660が83.1%もドロップするのに対し、GTX 1660 Superは16.2%にまで抑えられています。VRAMの高速化がスムーズな配信に与える影響は極めて大きいです。 GTX 1660 Superの熱と消費電力ゲーミング時の実効クロック![]() 「FF14:漆黒のヴィランズ」ベンチマークを実行中に、GPUコアクロックを記録してグラフ化しました。 GTX 1660 Super(出荷設定):1925 MHzGTX 1660 Super(手動OC):1998 MHzGTX 1660(出荷設定):1899 MHz出荷設定(メーカー側のオーバークロックが施された状態)では、GPUクロックは最大で1995 MHzに達し、平均値は1925 MHzでした。GTX 1660と比較して26 MHz(約1.3%)実効クロックが高くなっています。 MSI Afterburnerを使って手動オーバークロックを施すと、GPUクロックは平均1998 MHzで動作しました。常に2 GHz近いクロックで動作しており、GTX 1660より若干ながらオーバークロック耐性は改善した感覚です。 グラボの温度をチェック![]() FF14ベンチマークを実行中に、HWiNFOを使ってGPUコア温度を計測します。なお、グラフィックボードの温度はオリファンモデルの出来によって完全に左右されるため、各GPUの比較は参考程度に見てください。 GPU温度(最大値) GTX 1660 Super65 ℃GTX 1660 Ti60 ℃GTX 166068 ℃GTX 1070 Ti69 ℃GTX 107070 ℃GTX 1060 6GB59 ℃ZOTAC AMPは全長わずか21.7 cm、厚み2スロットのコンパクトなデザインながら、冷却性能はかなり優秀です。GPU温度は最大65℃に収まっていて、運用上の問題はまったくありません。オーバークロックの余地も十分にありそうです。 ![]() ファンの動作音はピーク時に43.6 dBAでした※。静音というわけではなく、割と普通な動作音です。コンパクトなボード設計で、100 W前後の熱を最大65℃に抑えているわけですから、多少のファンノイズは仕方がないですね。 それにZOTAC AMPは最安値に近い価格のグラボです。最安値に近いグラボなのに、ブーストクロックは非常に高く設定され、普通の動作音で65℃まで抑えてくれる高い冷却性能。コストパフォーマンスはとても優秀です。 ![]() ※ファンノイズの計測は、バラック状態のグラフィックボードから30 cmの距離をとり、FF14ベンチマークを実行中に行います。実際の運用ではPCケース内になるため、動作音は更に小さくなります。 消費電力を実測してチェック電力ロガー機能の付いた電源ユニットを2つ使って、グラフィックボードの消費電力を実測します。CPUを1つの電源ユニットで給電し、その他のパーツは2つ目の電源ユニットで給電します。 検証の後、マザーボードからグラフィックボードを外した状態でベンチマークを実行して消費電力を計測し、求められた計測値を引き算してグラフィックボード単体の消費電力を求めました。 ![]() FF14ベンチマーク(フルHD)を実行中に計測した結果です。 消費電力(平均値) GTX 1660 Super110.9 WGTX 1660 Ti108.4 WGTX 166094.5 WGTX 1070 Ti145.8 WGTX 1070141.0 WGTX 1060 6GB101.6 Wベンチマーク中の消費電力を平均しました。GTX 1660 Superの消費電力は約111 Wで、GTX 1660 Tiとほぼ同じでした。TDPでは5 Wしか変わらないのに、実際の消費電力は15 W近くも増えてしまっています。 GTX 1660 Tiに迫る性能を発揮するものの、消費電力ではやや劣っていることになります。ただし、GTX 1070やGTX 1070 Tiよりは遥かに少ない消費電力です。 ![]() FF14ベンチマークをWQHD画質で実行して、消費電力を計測します。フルHDからWQHDに引き上げ、GPU負荷率を上げることで消費電力がどう変化するのかをチェックする目的です。 消費電力(平均値) GTX 1660 Super112.6 WGTX 1660 Ti110.6 WGTX 166098.5 WGTX 1070 Ti158.0 WGTX 1070152.5 WGTX 1060 6GB107.7 WGTX 1070とGTX 1070 Tiは更に消費電力が増加しましたが、GTX 1660 Superはほとんど変わらない消費電力でした。というわけで、おおむねGTX 1660 Tiをわずかに上回る消費電力ですが、TDPの仕様内には収まっているので良しとしましょう。 ワットパフォーマンスはほぼ同じワットパフォーマンス(FF14 – フルHD) GTX 1660 Super1.00 fpsGTX 1660 Ti1.04 fpsGTX 16601.00 fpsGTX 1070 Ti0.82 fpsGTX 10700.83 fpsGTX 1060 6GB0.89 fpsフルHD時のワットパフォーマンス(消費電力1 Wあたりの平均フレームレート)は、GTX 1660と全く同じです。GTX 1070 Tiと比較すると、約20%も優れたワットパフォーマンスになります。 ワットパフォーマンス(FF14 – WQHD) GTX 1660 Super0.64 fpsGTX 1660 Ti0.67 fpsGTX 16600.61 fpsGTX 1070 Ti0.52 fpsGTX 10700.52 fpsGTX 1060 6GB0.53 fpsWQHD時のワットパフォーマンスも同様に計算します。GTX 1660 SuperはGTX 1660よりワットパフォーマンスが改善し、GTX 1070 Tiなどと比較すると約23~25%も省エネになっています。 GTX 1660 Superのオーバークロック検証手動オーバークロックを試す![]() MSI Afterburnerを用いて、GPUクロックと消費電力を追加する基本的な手動オーバークロックを検証しました。MSI Afterburnerに入力したOC設定は以下の通りです。 コア電圧(Core Voltage):出荷状態のまま電力制限(Power Limit):+5%温度制限(Temp Limit):83℃コアクロック(Core Clock):+100 MHzメモリクロック(Memory Clock):+750 MHzファン設定:出荷状態のまま内容としては、消費電力を5%追加して、ブーストクロックを1845 MHzから1945 MHzに引き上げています。今回検証に使っているZOTAC AMPはすでにオーバークロックされているため、伸びしろはそれほど多くないはずです。 しかし実際にやってみると、+100 MHzの設定がすんなりと通ってしまいました。 性能の変化(FF14 – WQHD) 出荷設定72.3 fps手動OC76.5 fps手動オーバークロックによって性能は約6%アップし、GTX 1660 Tiを超えられるパフォーマンスに。 ![]() 消費電力は約111 Wから、約118 Wに増加しました。消費電力は約6%増えただけで性能の伸びと一致するので、ワットパフォーマンスは出荷設定とほぼ同じです。 ![]() グラフィックボードの温度は最大65℃だったのが、最大67℃に増加。ちょっと消費電力が増えたくらいでは、温度への影響はそれほど大きくありません。 設定出荷設定手動OC実効クロック1925 MHz1998 MHzGPU温度65℃67℃消費電力110.8 W118.2 W性能72.3 fps76.5 fpsVRAMがGDDR6になったことで、手動オーバークロックが少し素直になった感覚です。実効クロックを2 GHz前後に留める程度のオーバークロックなら、ワットパフォーマンスもほとんど悪化しません。 最初から多少オーバークロックが施されたオーバークロックモデルを選んで、そこから更に自分でオーバークロックを加えることで、GTX 1660 Tiに対して下剋上を狙うと美味しいです。 まとめ:意外とGTX 1660より魅力的です「GTX 1660 Super」のデメリットと弱点GTX 1660 Tiよりわずかにコスパが悪い消費電力はちょっと増えた「中途半端」と言われがちなポジションGTX 1660 Superは、無印版と比較して単にVRAMがGDDR6に更新されただけのグラボです。そのため、筆者も含めて多くのユーザーから「出す必要あるのか?」「中途半端すぎるポジション」など、ネガティブな印象を抱かれています。 確かに、現時点では希望小売価格よりも割高な値段で売り出されているため、コスパはGTX 1660 Tiよりわずかに悪いです。ワットパフォーマンスは変わらないとはいえ、消費電力そのものは無印版より増えています。 しかし、これらはあくまでも現時点に基づいた評価です。実際の値段は10ドル高いだけなので、国内の販売価格が落ち着いて1000~2000円しか変わらない状況になれば、中途半端になるのはGTX 1660の方です。 そもそもSuperシリーズ自体が、既存のラインナップを置き換える「実質的な値下げ」なので、Super版と比較して無印版が中途半端な立場になってしまうのは、ごく自然な流れだと思います。 「GTX 1660 Super」のメリットと強みGTX 1660 Tiに迫るパフォーマンスGTX 1660より遥かに優れた配信性能「GDDR6」の格上げされたVRAM小型なデュアルファンでも冷える2 GHz前後まで行くオーバークロック耐性GTX 1660と大差ないワットパフォーマンスTwitterで「中途半端の塊」などと言ってしまったが、ここで発言撤回しておきます。それだけ期待していなかった分、実際に検証してGTX 1660 Superの良さが明らかになるにつれて、完全に評価が一変してしまいました。 第1に、ゲーム性能は上位モデルのGTX 1660 TiやGTX 1070に匹敵します。まさかVRAMをGDDR6にするだけで性能が2割近くも伸びるとは、まったく予想外です。 次にスゴイのがOBSを使ったゲーム実況配信です。GTX 1660だと、144 fps制限で配信をすると8割はコマ落ちしました。一方、GTX 1660 Superは2割強までコマ落ちを抑えられるようになっています。 ハッキリ言って桁違いの配信性能です。OBSでNVEncで配信しつつ、ゲーミングモニターも同時に活用したいゲーマーさんは、今後GTX 1660を選択肢に入れる必要はありません。 平均1 fpsあたりの価格(コスパ) GTX 1660 Super356.8 円GTX 1660 Ti338.1 円GTX 1660342.5 円GTX 1070 Ti575.1 円GTX 1070500.0 円GTX 1060 6GB452.9 円新品価格で計算した平均1 fpsあたりの価格(単純なコスパ)は、残念ながら既存のラインナップに対してわずかに悪いです。 ただし、NVIDIAの希望小売価格は239ドルで、10ドルしか差がありません。国内価格はまだ割高なものの、GTX 1660と同様に落ち着けば、GeForce 16シリーズの中でもっともコスパに優れたグラボになります。 ![]() というわけで、GTX 1660 Superのレビュー評価は「A+」ランクで決まりです。GTX 1660よりたった10ドル高いだけで、GTX 1660 Tiに匹敵する性能、GTX 1660より遥かに優れたゲーム配信性能、高いオーバークロック耐性などなど。 得られるメリットは値段の違いよりずっと多いです。ほんとは「S」ランクにしてもいいくらいのグラボですが、現状は国内価格が割高なので「A+」にしておきます。 本来なら1000~2000円くらいの差額になるところが、約5000円はさすがに強気過ぎです。6000円も差があると、新品で買う場合はGTX 1660が悩ましいし、中古で買うならGTX 1070 Tiが魅力的になってしまいます。 最安値が2.7万円から、そこそこのOCモデルが3万円前後に落ち着いてくれれば最高です。 ![]() 以上「GTX 1660 Superをレビュー:意外と中途半端の塊ではない。」でした。 ![]() ![]() GTX 1660 Superを搭載するグラフィックボードは、現在2.8~3.6万円の価格帯で入手できます。ほとんどはシングルファン、またはデュアルファンモデルが占め、3.6万円を超えるとトリプルファンモデルが登場します。 ![]() ![]() その中で特におすすめは、今回のレビューで使用した「GeForce GTX 1660 SUPER AMP」です。コンパクトでそこそこ冷えて高性能、ポリゴン面のようなゴツゴツとしたデザインもクールな雰囲気ですごく良いです。 GTX 1660 Superを搭載するBTO![]() GTX 1660 Superを搭載するBTOでおすすめは、2020年5月に発売された「Legion T550i」です。「i7 10700 + GTX 1660 Super」で、価格は約12万円(税込み・送料込み)。 国内大手BTOと比較して2~4万円も安価ながら、120 mmサイズのサイドフロー型クーラーやWestern Digital製NVMe SSDを搭載するなど、低価格に見合わないマトモなパーツ構成が大きな魅力。コスパがすごすぎて採算とれてるのか心配になります。 ![]() BTOGPUグラフィックボード実機レビュー自作PC |
CopyRight 2018-2019 实验室设备网 版权所有 |