Samsung 990 PROレビュー:SSDの絶対王者だった面影はもう・・・ない。 |
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NAND業界の巨人サムスン(Samsung)が自社で製造する、フラグシップモデル「Samsung 990 PRO」を買ってみました。 Samsungの「PRO」はその年のコンシューマ向けSSDで絶対王者として君臨しますが、どうやら最新の「990 PRO」はその期待に応えてくれないようです。 この記事の目次 Toggle(公開:2023/7/27 | 更新:2023/7/27) Sponsored Link Samsung 990 PROのスペックと仕様![]() フラグシップモデル「Samsung 990 PRO」のスペックをかんたんに確認します。 NANDメモリに「Samsung 176層 3D TLC NAND」を、SSDコントローラに自社設計の新型モデル「Samsung Pascal」を組み合わせます。 DRAMキャッシュにSamsung製LPDDR4メモリ(1024 MB)を搭載し、SSDコントローラとDRAMキャッシュの合せ技でTLC NAND本来の性能をうまく隠す狙いです。 SK HynixやSolidigmなどと同じく、Samsung製SSDもNANDからコントローラまで、ほぼすべての主要部品を自社で開発と製造を行う完全な垂直統合型モデルです。 しかもSamsungの場合は、コントローラの製造を外部(主にTSMC)に委託せず、自社保有の8 nm級ファブにて製造しています。コンシューマ向けSSDで最高の信頼性に期待できます。 ![]() 書き込み保証値(TBW)は他社の有名ブランド品と同等クラスです。先代の980 PROから特に変化なし。 仮にゲーミングPCでシステムストレージとして使った場合、かなり過剰に見積もっても1日あたり平均50 GB程度の書き込みです。 600 TBWを50 GB(0.050 TB)で割ると12000日で、耐久値を使い切るのに約33年もかかる計算に。NANDメモリの寿命が尽きるより先に、SSDコントローラが経年劣化で故障する確率のほうが高いです。 ライバル製品と価格設定の比較![]() PCIe 4.0対応のハイエンドNVMe SSDと価格を比較したグラフです。 2023年7月時点、Samsung 990 PROの 1 TBモデルが約1.7万円前後、2 TBモデルが約2.8万円です。タイムセール時のポイント還元込みで約1.5万円を狙えますが・・・他と比較してかなり強気な価格設定です。 たとえばPCIe 4.0で最高峰の性能を持つ「P44 Pro」はセール時なら1万円を切る価格で買えます。1.5倍も価格が高い990 PROが価格に見合う性能を見せられるのか注目です。 ![]() ![]() サムスンらしいゴシック体フォントで990 PROと書かれた、見るからにハイエンドな雰囲気漂うパッケージデザインで到着。 ![]() 今回レビューで使うサンプルは北米版Amazonにて、諸費込みで約1.5万円(99ドル + 為替 + 送料)で購入しました。為替レートのせいで思ったより高く付きます。 ![]() 海外購入品のため、国内代理店(株式会社ITGマーケティング)のシールは見当たりません。日本国内で購入した場合はITGマーケティングのシールが貼ってあります。 ![]() 説明書のみ付属します。プラスチック製のケースにSSD本体がすっぽりと収まっています。 基板コンポーネント![]() マットブラック塗装のプリント基板上に、SSDを構成するコンポーネントを覆い隠すように製品ラベルシールが貼られています。 ラベルシールを剥がすと5年間の製品保証が無効になるリスクが高いため、別途M.2ヒートシンクを取り付ける場合はシールを剥がさずにそのまま取り付けましょう。 ![]() 裏面にコンポーネントはありません。各国の認証ロゴや、交換保証(RMA)申請時に必要となるシリアルナンバー(S/N)が記載されたラベルシールが貼られています。 ちなみに、裏面のラベルシールはサムスンいわく「サーマル・ヒートスプレッダー」と呼ぶらしく、放熱性を補うヒートシンクを兼ねているそうです。 ![]() 表面だけにコンポーネントが実装されているシンプルな片面実装のNVMe SSDです。取り付けスペースが狭いノートパソコンで問題なく使えます。 ![]() 表面に貼ってあるラベルシールは残念ながら厚みがほとんど無い、単なるシールです。裏面のサーマル・ヒートスプレッダーと異なり、ヒートシンク的な効果は期待できません。 ラベルシールを剥がして、基板のコンポーネントを目視で確認します(※5年間の製品保証が切れる行為ですので、真似しない方が安全)。 ![]() SSDコントローラ、DRAM、NANDメモリすべてSEC(サムスン電子)自社製です。 電源供給を管理するPMICは、テキサス・インスツルメンツ製のロードスイッチ(TPS22990)を複数使って実装されています。 ![]() SSDコントローラはSamsungが自社で開発する「Pascal」を搭載。ARM Cortex R5をベースにした高性能な5コアSoCを搭載する、Samsung製で最高峰のコントローラです。 従来のElpisコントローラと同じく、PascalもSamsung 8 nmプロセスで製造されます。キャッシュアルゴリズムの変更、読み取り性能の改善、より低い消費電力に最適化した設計が主な変更点です。 最大2000 MT/sのスループットに対応し、最大8チャネルのNANDメモリを束ねられます。 ![]() ![]() DRAMはSamsung製LPDDR4メモリを1024 MB搭載します。 型番は「K4F8E16 4HMBGCJ」ですが、Samsungの型番検索サービスにデータがないメモリです。確実に分かるスペックはLPDDR4規格までで、動作クロックや定格電圧は不明です。 ![]() NANDメモリはSamsung製176層 3D TLC NANDです。 サムスンが「V7 V-NAND」と呼ぶ第7世代の3D TLC NANDで、他社と同じく2デッキ方式で176層(88 + 88層)まで積み上げ、512 Gbの記憶密度と最大2000 MT/sのスループットを実現します。 ビット密度は8.50 Gb/mm²で170層前後の3D NANDとしては密度が低いです。 競合するSK Hynix製176層が10.80 Gb/m²、Micron製176層(B47R)が10.27 Gb/mm²なので、サムスンの8.50 Gb/mm²はそれほど高密度ではありません。 その代わり平均スループットは184 MB/sで170層前後でほぼ最高の数値です。 Samsung 990 PRO 1TBSamsung 980 PRO 1TB#1:176層 3D TLC NAND(512 Gb)x8#2:176層 3D TLC NAND(512 Gb)x8#1:128層 3D TLC NAND(256 Gb)x16#2:128層 3D TLC NAND(256 Gb)x16= 2個使って容量1 TB (512 x 8 x 2 = 8192 Gb)= 2個使って容量1 TB (256 x 16 x 2 = 8192 Gb)Samsung 990 PROでは、記憶密度が512 Gb(= 64 GB)のチップを8枚重ねにして、合計8192 Gb(= 1024 GB)の容量に仕上げます。 NANDメモリの記憶密度が256 Gbから512 Gbへ倍増したため、同じ容量だと書き込み性能が逆に下がってしまう懸念があります。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() SSDベンチマークに使用する専用の機材です。 最大15.76 GB/sまで対応できるPCIe 5.0世代の「Intel Z790」マザーボードに、シングルスレッド性能が非常に速い「Core i7 13700K」を搭載。 Ryzen 9 5950X超えのマルチスレッド性能と、現行最強クラスのシングルスレッド性能で、最大14000 MB/s超えの次世代Gen 5 SSDも難なく処理できます。 SSDのセットアップについて![]() 原則として、CPUに直結したM.2スロットまたはPCIeスロットにテスト対象のSSDを接続します。チップセット経由だと応答速度が低下※してしまい、SSD本来の性能を検証できません。 ベンチ機に採用した「Z790 Valkyrie」は、PCIe 5.0対応のM.2スロットを1本、PCIeスロットを2本備えます。複数の爆速SSDをCPUに直結できる稀有なマザーボードです。 ※チップセット経由による性能低下はAMDチップセットだと緩和されますが、CPU直結時と比較して性能が下がる傾向自体は同じです。 SSDの冷却について![]() SSDを熱から保護するサーマルスロットリングによって性能に悪影響が出ないように、以下のような手段でテスト対象のSSDを冷却しながらベンチマークを行います。 M.2ヒートシンク「Thermalright HR-09」を装着120 mmケースファンを至近距離に設置して冷却SSDを徹底的に冷やして、サーマルスロットリングがテスト結果に影響を与えないように対策しています。 なお、10分間の温度テスト時のみM.2ヒートシンクとケースファンを取り除いて、温度の上昇を観察します。 SSDドライブ情報と利用できる容量![]() 「Samsung 990 PRO」の初期ステータスをCrystal Disk Infoでチェック。特に問題が見当たりません。 ![]() フォーマット時の初期容量は「931 GB」でした。 まず最初にファームウェアの更新をするべきSamsung 990 PROを旧ファームウェアで使い続けると、SSDの健康状態(※Crystal Disk Infoに表示される%値)が急激に減ってしまったり、勝手にSSDが暗号化されるリスクがあります。 これらの不具合はサムスン専用ソフト「Samsung Magician」で、ファームウェアアップデートを実行すると修正されます。 ![]() サムスン公式サイトから「Magician Software」をダウンロードして、Samsung 990 PROを使うパソコンにインストールします。 ![]() Magician Softwareを起動して、左下に表示される「Update」をクリックしてください。 ![]() 旧ファームウェアが入っている場合は、最新のファームウェアに「アップデート」可能なはずです。 ![]() 「OK」をクリックすると自動的にファームウェアの更新が始まり、20秒もしないうちにシャットダウンされます。 ![]() パソコンを再起動すると、ファームウェアが最新版に更新されます。今回は「0B2QJXD7」から「3B2QJXD7」に更新されました。 ![]() ![]() Samsung 990 PROは、空き容量の一部(最大10%)を活用して性能を最適化する「Full Performance Mode」に対応しています。 ![]() 「Full Performance Mode」を有効化すると、パソコンが再起動されて使える空き容量が931 GBから838 GBに削減されます。 ![]() 使える容量のほぼ1割を捧げた結果、Samsung 990 PROのランダムアクセス性能が大幅アップ。ランダム読み込みが93 MB/sから113.8 MB/sへ大幅に改善され、TLC NANDのSSDとして最高の数値です。 無視するにはあまりにも効果が大きすぎるため、今回のレビューでは特別に「Full Performance Mode」有効時の性能もテストします。 Full Performance Modeで実行したテストデータは、略して「FPM」でそれぞれの比較グラフに掲載します。 Crystal Disk Mark 8「Crystak Disk Mark 8」は、日本どころか世界で一番有名と言っても過言ではない、定番のSSDベンチマークソフトです。性能の変化をチェックするため、初期設定の「1 GiB」に加え、最大設定の「64 GiB」もテストします。 Crystal Disk Mark 8の結果※クリックで画像拡大します![]() ![]() ![]() ![]() シーケンシャル読み込みが約7160 MB/s、シーケンシャル書き込み速度は約6800 MB/sで、どちらもメーカー公称値にあと一歩届かない性能に。 テストサイズを64 GiBに変更しても、シーケンシャル性能とランダム性能に大きな変化が見られません。 インテル環境だとPCIe 4.0 x4の規格上限値が出づらいのが原因です。最新のRyzen環境(AMD 600番台チップセット)であれば、メーカー公称値の7450 MB/sに近い数値が出るはずです。![]() 体感性能や実用性能に影響が大きい、4KBランダムアクセスのレイテンシ(応答時間)の比較グラフです。 Samsung 990 PRO(FPM有効)は35.92 μsを記録、TLC NAND型で前人未到の40 usを大きく突破します。競合するライバル製品に対して圧倒的な速さを見せます。 ただし、FPMを使っていない状態だと43.91 μsにとどまり、先代の980 PROと大差ないです。 ![]() FPM有効時の書き込みレイテンシは9.08 μsで、過去テストしたNAND型SSDとして最高の数値です。 ATTO Disk Benchmark![]() ATTO Disk Benchmarkは、テストファイルを小刻みに分割してSSDのスループット(シーケンシャル性能)を測定し、SSDがピーク性能を出しやすいファイルサイズを探るベンチマークソフトです。 ベンチマーク結果からSSDの評価が非常に分かりにくいので、表計算ソフトを使ってグラフ化して他のSSDと比較します。 ![]() ![]() 512 Bから8 KBまでSamsung 990 PROがトップを走りますが、16 KBから2 MBまで大きく失速してライバルに抜かされ、8 MBでピークに達します。 FPMを有効化すると若干改善が見られるものの、16 KB~2 MB区間で伸び悩む傾向に変わりないです。 ![]() ![]() 一方、書き込み速度はすばらしいの一言につきます。512 Bからピークに達する4 MBまで、Samsung 990 PROがトップを独走します。 ただし、FPMが無い状態だと2 KB~16 KB区間で伸び悩む傾向が見られます。 ![]() FF14:暁月のフィナーレ(ベンチマークモード)で、ゲームロード時間を測定します。ベンチマーク終了後に、ログファイルからロード時間を読み取ります。 ![]() Samsung 990 PRO(FPM有効)のロード時間は「5.96秒」でした。競合するライバルたちと同じく、6秒の壁を突破しています。 しかし、FPMが無い状態では「6.42秒」に鈍化してしまい、先代の980 PROとほぼ同じロード時間に落ち着きます。 FPSタイトルのロード時間を比較PCMark 10 Professional Edition(有償版)で利用できる機能を使って、「Battlefield V」「Call of Duty Black Ops IV」「Overwatch 2」のロード時間を測定します。 なお、測定されたロード時間は各スコアから逆算された概算値(ざっくりとした予想値)です。実際のロードとは異なっているので注意してください。 ![]() ![]() ![]() テストした3タイトルすべてで、Samsung 990 PRO(FPM有効)はおおむね中くらいの位置につけます。 FPMがない状態ではCall of Dutyでワーストトップにつけるなど、サムスンのフラグシップモデルとしては不名誉な結果に。 「原神」のロード時間を比較大人気RPGタイトル「原神」のロード時間を実際にテストします。 初回ロード(データロード0%からクリック可能になるまで)初回ロード(クリックしてから操作可能になるまで)モンドから千尋の砂漠へワープ千尋の砂漠からスメールシティへワープスメールシティから稲妻城へワープ稲妻城からモンドへワープ上記6パターンを録画ソフト(120 fps)を使って記録し、動画編集ソフトに取り込んでフレーム単位でロード時間を比較しました。 ![]() Samsung 990 PRO(FPM有効)は「42.68秒」でした。FPM無効時とほとんど差がなく、先代の980 PROから進歩が見られない(悪い意味で)まさかの結果に・・・。 ![]() 各シーン別のロード時間(※グラフの左から順番にパターン1~6並び)です。 トップ勢力と比較すると、初回ロードタイムの遅さだけでなく、マップからマップへのロードタイムの遅さも目立ちます。つまり、パターン1~5までまんべんなく遅いです。 パターン6(稲妻城からモンドへワープ)は、すでに読み込んだマップが大量に含まれるため、基本的に大きな時間差はつきません。 DirectStorageのロード時間を比較![]() Windows 11はゲームのロード時間を大幅に短縮する「DirectStorage API」に対応しています。 SSDに保存されているゲームデータをメインメモリに送り込み、メインメモリからVRAMに流し込みます。入ってきたデータをGPUの凄まじい演算性能で展開(解凍)し、ゲームロード時間を短縮する技術です。 NVMe SSDからメインメモリにデータを転送する部分で、SSDのシーケンシャル性能が重視されます。SATA SSDよりNVMe SSD、同じNVMe SSDでもPCIe 4.0やPCIe 5.0の方が有利になる可能性が高いです。 ![]() ![]() CPUで展開する場合はCPUの演算性能がボトルネックになってしまい、SSDの性能差がそれほど確認できません。 ![]() ![]() GPU展開(RTX 4060 Tiで展開)では、シーケンシャル性能に比例した性能差がハッキリと出ます。 Samsung 990 PROは0.26秒(16.6 GB/s)、FPM有効時で0.24秒(17.7 GB/s)でした。シーケンシャル性能の割に、実効帯域幅がいまいち伸び切らない傾向です。 とはいえ、すでに十分すぎるほどロード時間が速いため、絶対値で見るとコンマ秒レベルの差しかつかないです。 ![]() Windows標準のコピペ機能と目視によるストップウォッチでは正確性に欠けるので、ファイルコピーに便利なフリーソフト「DiskBench」を使って、ファイルコピーに掛かった時間を計測します。 ゲームフォルダ(容量85.3 GB / 81424個)写真ファイル(容量113 GB / 5012枚)圧縮データ(容量256 GB / zipを2個)以上3つの素材をファイルコピーテストに使います。ソース(基準となるストレージ)は安定した性能に定評がある「Optane SSD P5810X 400GB」です。 ![]() ![]() ![]() 書き込み(Optane P5810X → Samsung 990 PRO)のコピペ時間です。 写真フォルダとゲームフォルダは、990 PROが展開するSLCキャッシュの範囲内に収まるため、他のハイエンドSSDとほとんど横並びの性能です。 Zipファイル(256 GB)のみ、SLCキャッシュの狭さがボトルネックになってしまい、P44 ProやP5 Plusなど競合するライバルに追い抜かされています。 ![]() ![]() ![]() 次は読み込み(Samsung 990 PRO → Optane P5810X)のコピペ時間です。 読み込み速度も期待しているほどの性能が出ておらず、冴えない印象です。ファイルの読み出しについては、Solidigm P44 Proが猛威を振るっており、Samsung 990 PROにも止められません。 比較グラフをよく見ると、シーケンシャル性能の割にコピー時間が遅いSSDがポツポツと見られます。 なぜシーケンシャル性能の割に遅いSSDが出てしまうのか。理由は単に「間髪入れずに次のコピーテストを実行」しているからです。 Zip(256 GB)→ 写真(113 GB)→ ゲーム(85.3 GB)の順番SSDは書き込み性能を稼ぐためにSLCキャッシュを使って耐える製品が多いですが、このSLCキャッシュの回復が遅いと・・・次のコピーテストに間に合わずTLC NAND本来の性能でテストが実行されます。 SLCキャッシュをスピーディーに再展開できるかかどうかも実力の内と(筆者は)考えているので、コピーテストは間髪入れず次から次へと実行します。 Premiere Pro CC:4K動画プレビュー動画編集ソフト「Adobe Premiere Pro CC」に、4K動画素材(448 MB/s)と2K動画素材(175 MB/s)を読み込み、2つの動画を同時にプレビューします。 Premiere Proの動画素材プレビューは、素材を配置しているストレージの性能に影響を受けやすく、SSDの性能が不足すると「コマ落ち」が発生しやすいです。 Premiere Proの標準機能「コマ落ちインジケータ」で落としたフレームを測定し、動画素材の総フレーム数で割ってドロップフレーム率を計算します。 ![]() 4K + 2K動画プレビューのドロップフレーム率は約12.6%(FPM有効)です。FPM無効時で約13.5%でした。 ハイエンドDRAMレス組(Lexar NM790など)にあと一歩及ばずですが、DRAMを搭載するハイエンドモデルとしてはトップの性能です。 ![]() 4K動画プレビューでは0%(FPM有効)、FPM無効時で約2.69%でした。 ![]() ![]() PCMark 10 Professional Editionの「Full System Drive Benchmark」を使って、SSDの実際の使用シーンにおける性能を測定します。 PCMark 10(UL Benchmarks)Full System Drive Benchmarkには23種類のテストパターン(Trace)が収録されており、パターンごとの転送速度や応答時間を測定し、SSDの実用性能をスコア化します。 なお、SSDは空き容量によって性能が大きく変化する可能性があるため、空き容量100%だけでなく容量を90%埋めた場合(= 空き容量10%)のテストも行いました(※2回:連続で約2時間のワークロード)。 ![]() ![]() ![]() Samsung 990 PRO(FPM有効)のストレージスコア(空き容量10%時)は「4739点」です。空き容量100%なら4716点で、空き容量による性能低下が一切見られません。 SLC NANDを搭載するエンタープライス向けSSD「Samsung 983 ZET」に近い性能です。 ただし、FPMを無効化するとストレージスコア(空き容量10%時)が「3983点」に下がり、性能の低下幅は約7%に広がります。10%未満に抑えているのは見事です。 ![]() ![]() ![]() ![]() PCMark 10ストレージテストの細かい内訳を確認します。 Adobeスコア、ファイルコピースコア※、OfficeスコアはFPM有効ならトップクラスです。FPM無効時は他のハイエンドNVMe SSDと横並びです。 ゲームロードスコアのみ、FPMを有効化してもSolidigm P44 Proに届かなかったです。Samsung 990 PROはゲームの読み出しがやや苦手に見えます。 ※PCMark 10 Proのコピーテストは基本的にキャッシュの範囲内に収まるため、SLCキャッシュが狭い990 PROでも性能を出せます。 ![]() 1 MBのテストファイルを15分間に渡って、ただひたすら連続して書き込み続ける過酷な検証方法です。 一般向けに販売されているほとんどのSSDは、数分ほど連続して書き込むだけで「素の性能」を明らかにできます。SLCキャッシュの有無やサイズ、キャッシュが切れた後の性能低下などなど。 15分の連続書き込みテストによって、SSDのいろいろな挙動が判明します。 ![]() ![]() (1枚目:比較グラフ / 2枚目:強調グラフ) 見ての通り、FPM(Full Performance Mode)を有効化すると、書き込み速度が大きく下がります。てっきり捧げた1割の容量を利用してさらに性能が上がると予想しましたが、実際は真逆の反応でした。 FPM無効時ならじわじわと書き込み速度が回復する傾向が見られ、空き容量の差がそのまま展開できるSLCキャッシュサイズに影響を与えているようです。 まずは、FPM無効時のざっくりとした内訳を・・・ SLCキャッシュで爆速(約120 GBまで)SLCキャッシュからTLC NANDへのデータ移動モードに変化 (= おそらくTLC NAND本来の性能)SLCキャッシュがわずかに回復して性能アップIntelligent TurboWrite 2.0システムは最大120 GBのSLCキャッシュを展開でき、キャッシュを超過した後は基本的に回復しません。 後半になるにつれて微妙に書き込み速度が改善するため、微妙にSLCキャッシュが回復して平均速度が上がっている可能性はありますが、確認するのは難しいです。 FPM有効時の内訳は・・・ SLCキャッシュで爆速(約120 GBまで)SLCキャッシュからTLC NANDへのデータ移動モードに変化 (= おそらくTLC NAND本来の性能)シンプルです。Intelligent TurboWrite 2.0システムによって最大120 GBまでSLCキャッシュを展開した後、一切SLCキャッシュが復活しないまま平均1400 MB/s前後でテストを終えます。 ![]() ![]() 時間あたりの書き込み量を比較したグラフです。 FPM有効時だとDRAMレスのHIKSEMI FUTUREにすら遅れを取りますが、FPM無効なら先代の980 PROとほぼ同じ水準を維持します。 980 PRO(128層)から990 PRO(176層)にアップグレードした割に、肝心の書き込み性能の伸び幅が少ないです。 128層が256 Gbダイに対して176層は512 Gbダイです。記憶密度が2倍になったためNANDメモリ1枚あたりの書き込み性能が下がっているのが原因でしょう。 ![]() ![]() モニターソフト「HWiNFO」で表示できる温度センサーは3つです。 ドライブ温度:NANDメモリの温度ドライブ温度2:NANDメモリの温度ドライブ温度3:SSDコントローラの温度やや低めの温度が表示される1と2がNANDメモリ、もっとも高い温度を表示する3がおそらくSSDコントローラの温度です。 ![]() ヒートシンクを取り外し、ケースファンによるエアフローを一切与えない環境で、SSDが激しく発熱しやすい「連続書き込みテスト」を10分間実行しました。 テスト開始から2分ちょっとでサーマルスロットリングが発生します。SSDコントローラが95℃前後に達するたび、サーマルスロットリングで性能を落として温度を抑えます。 温度が下がるとサーマルスロットリングが解除され性能も戻りますが、すぐにまたサーマルスロットリングが発生する繰り返しです。 サーモグラフィーで表面温度を確認![]() テスト開始から9分経過したあたりで、サーモグラフィーカメラを使って撮影。 SSDコントローラ:92 ~ 93℃NANDメモリ(右):83 ~ 84℃NANDメモリ(左):82 ~ 83℃SSDコントローラ周辺は93℃近くまで、NANDメモリ側は80℃前半まで温度が上昇します。 NANDメモリ側の温度センサーはそこそこ正確で、SSDコントローラ側は実際よりやや高めの温度を示します。低く表示するよりマシです。 ![]() Samsung 990 PROは高負荷時の発熱がかなり激しいです。 サーマルスロットリングも頻発するため、過酷なワークロードを想定している方はM.2ヒートシンクの装着を強くおすすめします。 少なくとも、マザーボードの付属M.2ヒートシンクにケースファンで風を当ててあげると安心です。 M.2スロットの場所が悪ければ、別売りのヒートシンクで高さを稼いでケースのエアフローが当たりやすいように配置するといいでしょう。 マザーボード付属のM.2ヒートシンクはネジの締めすぎに要注意。締めすぎると基板に圧力がかかりすぎてSSDの故障につながります。まとめ:驚異的な性能ですが・・・値段に見合うか疑問![]() Samsung 990 PROは、FPM(Full Performance Mode)有効時に限り、PCIe 4.0世代で圧倒的な性能を出せるNVMe SSDです。 約10%の空き容量と約30%の書き込み性能を捧げて、ようやくSolidigm P44 Proを約30%近くも上回る実用性能を発揮します。 しかし、FPM(Full Performance Mode)を使用しない990 PROの性能は・・・値段に対してかなり渋いです。実用性能はP44 Proを上回りますが、大容量ファイルのコピーやゲームロード時間で遅れを取ります。 ![]() 残念ながら、Samsung 990 PROを好んで選ぶ理由が見当たらないです。 国内の実売価格で競合するライバル(P44 ProやP41 Platinumなど)に並べば一考の余地ありですが、現状の1 TBで約1.7万円の強気すぎる価格設定では支持できません。 FPMを使用すると空き容量が1割ほど減るため、実質価格は約1.9万円に跳ね上がり、容量単価の悪化を許容できるかどうかも好みが分かれる仕様でしょう。 以上「Samsung 990 PROレビュー:SSDの絶対王者だった面影はもう・・・ない。」でした。 ![]() ![]() 2023年7月時点、Samsung 990 PROの1 TB版が約1.7万円から買えます。 個人輸入なら5000円ほど安く購入できますが、輸入するリスクを負ってまで入手する価値は無いと思います。 Solidigm P44 ProやLexar NM790など、990 PROより低価格で同等かそれ以上の性能を持つNVMe SSDが買える時代です。 ![]() NVMe SSDのおすすめレビュー記事 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() おすすめなSSDを解説 ![]() |
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