原油先物が5ドル超上昇、ＯＰＥＣプラスが予想外の追加減産発表（ロイター）

　原油先物価格は、石油輸出国機構（ＯＰＥＣ）とロシアなど非加盟産油国で構成する「ＯＰＥＣプラス」が予想外の追加減産を発表したことを受け、４月３日の取引開始時に５ドル超上昇した。米テキサス州で２０１９年１１月撮影（２０２３年　ロイター/Angus Mordant）

[シンガポール ３日 ロイター] - 原油先物価格は、石油輸出国機構（ＯＰＥＣ）とロシアなど非加盟産油国で構成する「ＯＰＥＣプラス」が予想外の追加減産を発表したことを受け、３日の取引開始時に５ドル超上昇した。 北海ブレント先物は取引開始時に約１カ月ぶりの高値を付け、００３９ＧＭＴ（日本時間午前９時３９分）時点で５．０６ドル（６．３％）高の１バレル＝８４．９５ドル。 米ＷＴＩ先物は１月下旬以来の高値を付け、４．８０ドル（６．３％）高の８０．４７ドル。 ＯＰＥＣプラスは２日、日量約１１６万バレルの追加減産を行うと発表した。５月から開始し、今年末まで継続する。予想外の動きで、アナリストは原油価格が押し上げられるとみている。 ロイターの算出に基づくと、これによりＯＰＥＣプラスの減産量は日量３６６万バレルとなり、世界需要の３．７％相当する。 米金融大手ゴールドマン・サックスは２日、ＯＰＥＣプラスによる予想外の追加減産発表を受け、北海ブレント先物の価格予測を引き上げた。２０２３年１２月の予想は５ドル引き上げ１バレル＝９５ドルに、２４年１２月については３ドル引き上げ１００ドルとした。 同社は今回の予想外の減産について、先手を打って行動するというＯＰＥＣプラスの新しいドクトリンと一致しているとし「重要な経済的な、そしておそらくは政治的な配慮を反映している」と指摘。今回の減産が石油価格を７％押し上げ、サウジアラビアとＯＰＥＣプラスの石油収入増に寄与すると予測した。 米国家安全保障会議の報道官は「市場の不透明感を踏まえると、現時点で減産は望ましくないと考えており、われわれはそのことを明確にしている」と述べた。 ナショナル・オーストラリア銀行のアナリストは、ＯＰＥＣプラスの減産と原油の主要輸入国である中国の需要回復で、第３・四半期にかけて原油価格は１バレル＝１００ドルを突破する可能性があると述べた。