HIV予防法「PrEP(プレップ)」とは?日本一分かりやすく解説 | 您所在的位置:网站首页 › prep服用 › HIV予防法「PrEP(プレップ)」とは?日本一分かりやすく解説 |
ゲイたちにとって避けては通れない「HIV/エイズ」の問題。
日本では毎年1500人前後が新しくHIV/エイズに感染し、国内全体の感染者数は2万5千人ほどで、そのほとんどはゲイ・バイ男性。 また、検査をせずに感染に気付かない人も多いため、実際はさらに多いのでは?といわれている。
なかなか減少しないHIVに対して、いま画期的な予防法として注目されているのが「PrEP(プレップ)」だ。 取材協力:「SH外来」上村悠医師、水島大輔医師*2019/12/16 本文内を一部修正・加筆しました。 Illustration : Makito Uechi
PrEPについて聞いたことがある人も多いだろうが、日本では情報が少ない為、なかなか正しい知識を得ることが難しかった。
そこで、ゲイ・バイ男性の専門外来『SH外来』の上村医師&水島医師にPrEPについて話を聞いた。 今回は、PrEPについて知りたい人のために、日本一分かりやすくPrEPを解説! PrEP(プレップ)でHIVを99%防げる PrEP(プレップ)とは「Pre-exposure prophylaxis(曝露前予防内服)」の略で、簡単にいうと”HIVにかかる前の予防法”のこと。
そしてPrEPは”予防法の名前”で、実際には「ツルバダ」または「デシコビ」という薬を飲むことになる。現在PrEPとして認められている薬は2種類のみ。
このツルバダを1日1錠、一定期間飲み続けることで、HIVの感染を約99%防げることが研究で分かっている。 英ロンドンの性感染症クリニックでは、PrEP導入後にHIVの新規感染者数が80%以上も減ったというデータがあるほど! PrEPの使用方法とは? PrEPの使用方法は簡単で、ツルバダを毎日1錠飲むだけ。
PrEPによってHIV感染はほぼ防げるが、ゴム無しでセックスした場合、HIV以外の性感染症(梅毒、A/B型肝炎、淋菌、等)にかかってしまう可能性があるので注意。 PrEPのデメリットは? PrEPで使用する薬「ツルバダ」の副作用としては、頭痛、腹痛、吐気などがあるが、全て軽度の症状。
注意すべきは、PrEPをはじめる前に、①HIVにかかっていないか、②B型肝炎にかかっていないか、③肝臓・腎臓の数値が正常か、の3点を検査する必要がある。
PrEPで飲むツルバダには、HIVとB型肝炎を抑える効果があるため、PrEPを飲むことで薬剤耐性がついてしまい、すでにHIVになっている人は薬が効かなくなる危険があるからだ。
PrEPをはじめる前は、必ず3つの検査を受けてから行うべし。 3種類ある「PrEP」「PEP」「オンデマンドPrEP」の違いとは? 名前が似ているのでよく間違われやすいが、PrEP(プレップ)とPEP(ペップ)は全く異なるもの。
PrEPは、HIVにかかるリスクのある人が予防のために薬を飲むことで、PEPは、危険なセックスをしてしまった(ナマでやってしまった、HIV陽性者とセックスをした)場合に、対処するために薬を飲むこと。 また、PrEPとPEPでは飲む薬の種類や飲み方も異なってくる。
■PrEP(曝露前予防内服)=セックスする前に薬を飲むこと 飲む薬:「ツルバダ」または「デシコビ」 飲み方:1日1回1錠
■PEP(曝露後予防内服)=セックスした後に薬を飲むこと 飲む薬:3種類のHIV治療薬 飲み方:危険なセックス後、72時間以内に処方された薬を飲む。それを28日間継続して飲み続ける。
また、海外では「オンデマンドPrEP」も広がっているそう。 オンデマンドPrEPとは、セックスの前後に薬を飲むことで、HIVのリスクを抑える予防法のこと。使う薬は「ツルバダ」または「デシコビ」だが、通常のPrEPのように毎日服用することはなく、セックスの前後に飲むだけ。 また、少しだけ通常のPrEPとは飲み方が異なる。
■オンデマンドPrEP=セックス前後に薬を飲む 飲む薬:「ツルバダ」または「デシコビ」 飲み方:セックスの2時間~24時間前に2錠、セックス後の24時間後に1錠、その次の日1錠。1回のセックスで合計4錠使用。
オンデマンドPrEPの場合、一回で合計4錠の薬を使用する。 上村医師によると、「アメリカではオンデマンドPrEPをする人も増えており、予防効果も87%以上ということがわかっています。オンデマンドPrEPをする人たちは月16錠前後の薬を飲んでいるので、1ヶ月に4回ほどセックスをしている計算になりますね」と話す。
通常の「PrEP」と「オンデマンドPrEP」は同じ薬を飲むのだが、オンデマンドPrEPの特徴は最初に2錠飲むことだ。これはPrEPの効果を急激に効かせるために行う。 PrEPが認可されている国は増えている 2012年、世界で初めてアメリカでPrEPが承認されて以来、世界ではPrEPを承認する流れがおきている。
■現在PrEPが認可されている国一覧(2018年2月時点) アメリカ、カナダ、フランス、ノルウェー、ベルギー、ポルトガル、イスラエル、オーストラリア、ニュージランド、ブラジル、チリ、ケニヤ、南アフリカ、ペルー、タイ、台湾、ベトナム。
世界中これだけの国で認可されているが、残念ながら日本では認可されていない・・・!! 気になるPrEPの値段とは? PrEPについて分かってきたところで、気になるのはそのコスト面。 PrEPで使われるツルバダは1錠3863.6円(日本の定価)で、1ヶ月毎日飲むと11万5908円にもなるのだ!・・・高い、高過ぎる!!
薬が高額なため、国が一部を補助してくれる国もある。 アメリカ、オーストラリア、ニュージランドなどは、保険適用で安くツルバダを買うことができる。(月約3500円〜5000円ほど)
果たして、日本でツルバダが保険適用される日はくるのだろうか? 水島医師によれば、それは「難しい」と話す。
「そもそも、日本ではすべての病気の『予防』に対して保険適用はありません。あらゆる予防のワクチンはすべて自己負担ですし、ツルバダも予防なので保険適用になることは難しいでしょうね」
水島医師によると、海外のネット通販でツルバダ(またはデシコビ)のジェネリック品を個人輸入し、服用している人も少なからずいるそう。
海外の通販というと少し怖い感じもするが、海外ではゲイのNPO団体や性感染症クリニックが運営するなど、安全性の高いネット通販もいくつか存在している。 個人輸入する場合の注意点 ツルバダやデシコビは高価な薬のため、日本のように認可されていない国だと個人輸入をする人も実際いる。
日本だと月11万円ほどがジェネリック品(個人輸入の場合)だと月4000円前後と、圧倒的に安く手に入るからだ。 もし、あなたが個人輸入をする場合は、以下の注意点を厳守してほしい。
①HIV、B型肝炎、肝臓・腎臓の検査を必ず受けること PrEPをする前に、必ずHIVとB型肝炎にかかっていないか検査をしよう。HIVとB型肝炎のいずれかに感染した状態でPrEPをはじめてしまうととても危険だ。
②3ヶ月ごとに定期検診を受けること 通常PrEPを受ける際、3ヶ月ごとの定期検診はマスト。性感染症を専門にするクリックで、医師にPrEPを服用している旨を伝え、必ず3ヶ月ごとに定期検診を行おう。 PrEPを利用するのは「リスクが高い人」のみ PrEPについて色々と紹介したが、必ずしもゲイ全員がPrEPをする必要はない。 例えば、毎回必ずコンドームをして、セーファーセックスを心掛けている人は問題ない。
PrEPは”リスクが高い人”の為のHIV予防法だ。 リスクが高い人とは、①セックスの頻度が高い人、②ナマでセックスしている人、など。
また、コンドーム使用はタチ次第なこともあるが、ウケがPrEPを使用することは一種の自己防衛にもなる。
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PrEPは日本では情報も少なく、ゲイ・バイたちの認知度も低いため、この記事で少しでもPrEPについて知るキッカケになってくれれば嬉しい。
ちなみに、今回取材した「SH外来」は、東京の国立医療センター内にあるゲイ&バイ男性のための専門外来。日本初の研究調査としてPrEPを導入(*募集は終了)したり、アナルの性感染症をチェックできたりと、ゲイ・バイたちのセクシャルヘルス(性の健康)にまつわることを気軽に相談できる。 気になる人は是非チェックしてみて。
関連記事 >> 日本と世界の「PrEP」最新事情とは?医師が徹底解説 Makito Uechi GENXY GENXY編集部ディレクター。国内・海外のゲイカルチャー、ゲイ映画、海外旅行が趣味。イラストレーターとしても活動中。目標は世界中のゲイエリアを周ること。タレコミや取材依頼はこちらまで([email protected]) Makito Uechiの他の記事はこちら |
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